認定こども園とは?わかりやすく解説!保育園との違いやデメリット、対象年齢は?

認定こども園についてわかりやすく解説します。

幼稚園の「教育」と保育園の「保育」、の機能を一体的に提供する認定こども園。

「幼稚園と保育園の良いとこどり」とも言われ、保護者の就労状況にかかわらず0歳から就学前の子どもが利用できるのが大きな特徴です。

近年、共働き世帯の増加や多様化する子育てニーズに応えるため、その施設数は年々増加しています。

とはいえ、

・「保育園や幼稚園と何が違うの?」
・「メリットばかりじゃないって本当?」

といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、認定こども園の基本的な仕組みから、保育園・幼稚園との違い、メリット・デメリット、対象年齢や認定区分まで解説します。

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そもそも認定こども園とは?

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認定こども園※は、教育と保育を一体的に行う施設として、2006年に「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)」に基づいてスタートした制度です。

まずは、その目的や役割といった基本的な部分から見ていきましょう。

※こども家庭庁|認定こども園の改訂について(令和4年7月)

認定こども園ができた目的と背景

認定こども園が創設された背景には、深刻化する「待機児童問題」と「少子化」という、社会課題がありました。

おもな課題

保育園の課題:共働き世帯の増加により、都市部を中心に保育園に入れない「待機児童」が社会問題化。
幼稚園の課題:一方で、少子化の影響を受け、定員割れを起こして閉園に追い込まれる幼稚園が増加。

こうした状況を解決するため、既存の幼稚園施設などを有効活用しながら、多様化する保育ニーズに対応できる新しい形の施設として「認定こども園」が誕生しました。

保護者が働いている・いないにかかわらず、すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を提供する「幼保一元化」政策の柱となる制度です。

令和6年4月の段階で、全国で10,483園もの施設が認定こども園として登録されています※

参考|こども家庭庁|認定こども園概要
こども家庭庁|認定こども園に関する状況について(令和6年4月1日現在)

認定こども園の2つの大きな役割

認定こども園には、法律で定められた2つの重要な役割があります。

1:就学前の子どもへの教育・保育の提供

0歳から小学校就学前までの子どもを対象に、保護者の就労状況に関係なく受け入れ、年齢や発達に応じた教育と保育を一体的に行います。

とくに3歳以上の子どもは、保護者の就労状況が異なる家庭の子どもたちが同じクラスで一緒に過ごすのが特徴です。

2:地域の子育て支援

園に通っている子どもや保護者だけでなく、その地域に住むすべての子育て家庭を支援する拠点としての役割も担います。

子育てに関する相談に乗ったり、親子が気軽に集える場所を提供したりと、地域全体の子育てをサポートします。

管轄省庁は「こども家庭庁」

保育園や幼稚園はその役割から管轄省庁が異なりますが、認定こども園はどうでしょうか。

  • 認定こども園:こども家庭庁
  • 保育園:こども家庭庁
  • 幼稚園:文部科学省

2023年4月にこども家庭庁が創設されるまでは内閣府の管轄でしたが、現在は保育園と同じくこども家庭庁が所管しています。

ただし、教育に関する部分は文部科学省とも連携しており、教育と福祉の両側面を持つ施設と言えます。

【比較表】認定こども園と保育園・幼稚園との違い

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認定こども園がどのような施設か、保育園や幼稚園との違いを比較しながら見ていくと、より理解が深まります。それぞれの特徴を一覧表にまとめました。

項目認定こども園保育園(認可保育所)幼稚園
所管官庁こども家庭庁こども家庭庁文部科学省
根拠法令認定こども園法児童福祉法学校教育法
施設の位置づけ教育・保育施設児童福祉施設教育施設(学校)
利用できる子ども0歳~就学前のすべての子ども保育を必要とする0歳~就学前の子ども3歳~就学前の子ども
1日の標準的な時間4時間~11時間(認定区分による)原則8時間(最長11時間)標準4時間
長期休み園による(1号認定は休みの場合あり)原則なしあり(夏・冬・春休み)
職員の資格保育教諭(保育士資格+幼稚園教諭免許)が基本保育士幼稚園教諭免許
給食ありあり園による(お弁当の場合も)
申込先1号:施設へ直接 2・3号:市区町村市区町村施設へ直接

認定こども園への申し込み方法は、市区町村ごとに異なります。
ご利用をお考えの方は、必ずお住まいの市区町村にお問い合わせください。

さいたま市の例

例:埼玉県さいたま市の場合👉認定こども園について

参考|こども家庭庁|保育(各種トピックに触れています)
参考|文部科学省|幼児教育

最大の違いは「利用条件」と「保護者の就労状況」

表を見るとわかるように、最も大きな違いは「利用条件」です。

保育園は、保護者が仕事や病気などの理由で「家庭での保育が困難」な場合に利用できる福祉施設です。

そのため、入園には市区町村から「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。

一方、認定こども園と幼稚園は、そのような理由は必要ありません。
認定こども園は、保護者の就労状況にかかわらず、すべての子どもが利用できるのが最大のメリットです。

これにより、例えば出産を機に仕事を辞めた場合でも、子どもは転園することなく、慣れ親しんだ環境で卒園まで通い続けることができます。

「教育」と「保育」の融合

認定こども園では、文部科学省の「幼稚園教育要領」と、こども家庭庁の「保育所保育指針」の両方の内容を考慮した「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に基づいて、教育と保育が一体的に提供されます。

3歳以上の子どもは、1日4時間程度の教育時間を基本とし、遊びを通して学ぶ環境のなかで、小学校以降の学びの基礎を育みます。

さらに、保育園のように1日を通して生活習慣を身につけるための時間も確保されており、バランスの取れたプログラムが特徴です。

参照|平成29年(2017年)幼保連携型認定こども園教育・保育要領告示文
参照|平成30年(2018年)幼保連携型認定こども園教育・保育要領 解説 

                       ※2ページ目以降より本文

認定こども園の4つのタイプ(種類)

出典:YouTube:こども家庭庁公式チャンネルより

一口に認定こども園といっても、その成り立ちによって4つのタイプに分類されます。

それぞれの特徴が異なるため、園を選ぶ際の重要なポイントになります。

1. 幼保連携型

幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持つ施設として、新たに設置されたり、既存施設から移行したりしたタイプです。法的には「学校」であり「児童福祉施設」でもあると位置づけられています。

職員は、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ「保育教諭」であることが原則です。

認定こども園の中で最も数が多く、2024年4月時点で全体の約68%(7,136園)を占めています。

参考|こども家庭庁|幼保連携型認定こども園パンフレット

2. 幼稚園型

認可幼稚園が、保育が必要な子どものために預かり時間を延長するなど、保育所的な機能を備えたタイプです。ベースが幼稚園であるため、教育的なカリキュラムが充実している傾向があります。法的な位置づけは「学校」です。

3. 保育所型

認可保育所が、保育の必要がない3歳以上の子どもも受け入れ、幼稚園のような教育機能を追加したタイプです。ベースが保育所なので、0歳からの長時間の預かりに対応しているのが特徴です。

法的な位置づけは「児童福祉施設」です。

4. 地方裁量型

幼稚園や保育所の認可を持たない地域の教育・保育施設が、認定こども園として運営されるタイプです。待機児童対策など、地域の実情に応じて柔軟に設置されます。数は最も少なく、全体の1%未満です。

認定こども園の数は増えている?

認定こども園の施設数は年々増加傾向にあります。制度が始まった当初(2006年度)は全国で358園でしたが、2015年の「子ども・子育て支援新制度」の施行を機に急増。

2024年4月1日時点で10,483園に達しており、国が推進する「幼保一元化」の中心的な役割を担っていることがわかります。

参考|こども家庭庁|認定こども園4類型の比較認定こども園概要

認定こども園の対象年齢と認定区分

認定こども園の対象年齢は0歳から小学校就学前までですが、利用するためにはお住まいの市区町村から、子どもの年齢や家庭の状況に応じた「認定区分」を受ける必要があります。

この認定区分によって、利用できる時間や施設が変わります。

利用には「認定区分」の理解が必須

認定区分は、以下の3つに分かれています。

認定区分対象年齢保育の必要性主な利用施設
1号認定満3歳以上なし幼稚園、認定こども園
2号認定満3歳以上あり保育園、認定こども園
3号認定満3歳未満あり保育園、認定こども園、地域型保育

認定区分については、こども家庭庁のコチラのページ👉よくわかる「子ども・子育て支援新制度」で解説されています。

1号認定(教育標準時間認定)とは

保護者の就労状況に関わらず、満3歳以上の子どもが対象です。

幼稚園のように、1日4時間程度の「教育標準時間」を利用します。

申し込みは、園に直接行うのが一般的です。

2号認定(保育認定)とは

満3歳以上で、保護者の就労や疾病などにより「保育の必要性」が認められた子どもが対象です。

保育園と同じように、市区町村に申し込み、利用調整(選考)を経て入園が決定します。

利用時間は、保護者の就労状況に応じて「保育標準時間(最大11時間)」と「保育短時間(最大8時間)」に分かれます。

3号認定(保育認定)とは

満3歳未満(0歳~2歳)で、「保育の必要性」が認められた子どもが対象です。

2号認定と同様に市区町村に申し込み、利用調整が行われます。

年齢によって入園のしやすさは違う?

すべての認定こども園が0歳から受け入れているわけではなく、とくに幼稚園型では満3歳以上が対象の場合が多くあります。

また、保育の必要性がある2号・3号認定の場合、入園希望者が定員を上回ると選考が行われます。

とくに、1歳~2歳児クラスは希望者が集中しやすく、入園のハードルが高くなる傾向があるようです。

認定こども園のデメリットや課題

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多くのメリットがある一方で、認定こども園ならではのデメリットや課題も存在します。

その中から、主なものを見ていきましょう。

保護者側から見たデメリット

1:保護者間の立場の違いによる摩擦

1号認定の保護者(専業主婦(夫)など)と、2号・3号認定の保護者(共働きなど)が混在するため、園の行事やPTA活動への関わり方に差が生まれやすいという課題があります。

平日昼間の行事などに対し、「仕事で参加できない」という保護者と、「なぜ手伝ってくれないのか」と感じる保護者との間で、意見の相違やトラブルに発展するケースも指摘されています。

2:子どもたちの生活リズムの違い

1号認定の子どもは午後2時頃に降園しますが、2号・3号認定の子どもは夕方まで園で過ごします。

同じクラスの友達が先に帰ってしまうことで、残された子どもが寂しさを感じたり、落ち着かなくなったりすることがあります。

3:希望の園に入りにくい可能性がある

施設数は増えているものの、保育園(約23,000園)と比較するとまだ半分以下です。

地域によっては選択肢が限られます。また、2号・3号認定は保育の必要性が高い家庭が優先されるため、必ずしも第一希望の園に入れるとは限りません。

4:手続きが複雑でわかりにくい

1号認定は園に直接申し込み、2号・3号認定は市区町村に申し込むなど、認定区分によって手続きが異なります。この制度の複雑さが、保護者にとってわかりにくいと感じる一因になっています。

など。

ご利用をお考えの際は、ご家庭の状況をしっかりと把握することが重要です。

認定こども園に関するその他のポイント

最後に、職員の資格や保育料の無償化について補足します。

職員に必要な資格は?

認定こども園で働く職員の資格は、施設のタイプや子どもの年齢によって異なります。

  • 幼保連携型:幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ**「保育教諭」**が原則です。(ただし、2030年3月末まではどちらか一方の資格でも勤務できる経過措置期間です)
  • その他のタイプ:満3歳未満の保育は保育士資格が必須。満3歳以上は、両方の資格を持っていることが望ましいとされています。

保育料は無償化の対象?

2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、認定こども園の保育料も無償化の対象となっています。

  • 3歳~5歳児クラス:すべての子どもの保育料が無料。
  • 0歳~2歳児クラス:住民税非課税世帯の子どもの保育料が無料。

前述の通り、無償化されるのは月々の保育料(利用料)のみで、給食費や行事費などは保護者負担となる点に注意が必要です。

前述の通り、ご利用の際はお住まいの市区町村に、必ず確認してください。

参考|こども家庭庁|幼児教育・保育の無償化について

認定こども園をわかりやすく解説:まとめ

この記事では、認定こども園の仕組みや特徴、保育園・幼稚園との違い、そしてデメリットについてしました。

認定こども園は、保護者の働き方に関わらず利用でき、教育と保育の機能を両立させた、現代のニーズに合った施設です。

一方、保護者間の考え方の違いや、子どもたちの生活リズムの差など、特有の課題も存在します。

最後に、この記事のポイントをまとめます。

  • 認定こども園は、幼稚園の「教育」と保育園の「保育」を一体的に提供する施設。
  • 最大のメリットは、保護者の就労状況が変わっても転園せずに通い続けられること。
  • 利用には市区町村の「認定区分(1号・2号・3号)」が必要で、手続きや利用時間が異なる。
  • 保護者間の価値観の違いや、子どもの降園時間の差などがデメリットとして挙げられる。
  • 園のタイプ(幼保連携型、幼稚園型など)によって特色が大きく異なるため、園見学などで方針をしっかり確認することが重要。

認定こども園のメリット・デメリットを理解し、ご自身の家庭のライフスタイルや教育方針に合った園選びを進めてみてください!

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