放課後等デイサービスって何する所?役割や申し込み方法、料金や年齢制限について簡単に解説!

この記事では、近年、学校教育と並行して重要な役割を担いつつある放課後等デイサービスについて紹介します。

2012年(平成24年)4月に改正児童福祉法が施行されて以来、
事業所は全国的に増加傾向にあり、それに伴い利用者数も急速に増えつつあります。

しかし一方で
・どんなことをするところ?
・授業後に行くのは大変かな〜
・手続きはどうするのだろう?
など、放課後等デイサービスについて疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そのため、本記事では概要を簡単に紹介しつつ、
その役割や費用(例)、今後の課題についてわかりやすく紹介します。

具体的な詳細に関しては各事業所への確認が必須ではあるものの、
ご利用をお考えの方にとって、少しでも後押しになれば幸いです。

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放課後等デイサービスとは?その定義と目的

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まずは、放課後等デイサービスの背景や目的について見てみましょう。

制度の誕生背景

放課後等デイサービスは、2012年(平成24年)4月、
改正児童福祉法によって新たに創設された障害児支援サービスです。

それ以前は、障害児の放課後支援は「児童デイサービス」として提供されていました。

しかし、学齢期の子どもたちのニーズに特化したサービスの必要性が生じたため、
「放課後等デイサービス」として新たに確立されたのが始まりです。

2012年(平成24年)の法改正以降、
2021年(令和3年)までに事業所がおよそ6倍に増加。
さらにそれに伴い、利用者もおよそ5倍近く増えています※。

参考|厚生労働省|障害児支援の体系~平成24年児童福祉法改正による障害児施設・事業の一元化~
※厚生労働省|児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等について(令和4年12月14日),p8

サービスの定義

放課後等デイサービスは、主に学校通学中の障害児に対して、
放課後や夏休みなどの長期休暇中に、生活能力向上のための訓練を継続的に提供するサービスです。

学校教育法に規定する学校(幼稚園及び大学を除く)に就学している障害児が対象とされ、

具体的には、
・小学校
・中学校
・高等学校
・中等教育学校(中高一貫教育を実施する学校)
・特別支援学校※

などに通う6歳から18歳までの障害のある子どもたちが利用可能です。

※文部科学省|特別支援教育の現状|学びの場の種類と対象障害種

主な目的

放課後等デイサービスでは、多岐にわたる支援が行われています。
その主な目的として、以下のものが代表的です。

  1. 生活能力の向上:日常生活に必要なスキルを身につけ、自立の促進。
  2. 社会性の育成:他の子どもたちとの交流を通じて、コミュニケーション能力を高める。
  3. 学習支援:個々の学習ニーズに応じた支援を行い、学力の向上を図る。
  4. 余暇活動の充実:さまざまな体験活動を通じて、豊かな放課後を過ごせるようサポートする。
  5. 家族支援:保護者のレスパイトケア(一時的な休息)を提供し、家族全体の生活の質向上を目指す。

また、これらの目的を達成するため、放課後等デイサービス事業所では、
専門的な知識と経験を持つスタッフが、個々の子どもの特性に合わせたプログラムを提供しています。

参考|厚生労働省|放課後等デイサービスガイドラインp3~6

放課後等デイサービスの5領域:包括的な支援の実現へ

2024(令和6年)年2月6日、
「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」から発表された報酬改定の概要※では、
放課後等デイサービスにおける支援を5つの領域に分類し、それぞれの充実を図ることが提言されました。

この新しい枠組みは、より効果的かつ包括的な支援の実現を目指すもので、
事業所(者)は「5領域すべて」の対応が求められています

それぞれ簡単に紹介します。

1. 健康・生活領域

この領域では、子どもたちの基本的な生活スキルの獲得と健康維持に焦点を当てており、
具体的には以下のような支援が含まれます。

  • 健康状態の定期的なチェックと管理
  • 生活リズムの確立と基本的な生活習慣の形成
  • 食事、着替え、排泄などの日常生活スキルの向上
  • 環境構造化による生活空間の整備

など。

2. 運動・感覚領域

身体機能の向上と感覚統合を目的とした支援。

  • 基本的な運動能力の向上を目指す訓練
  • 姿勢保持や動作の補助具の適切な使用方法の指導
  • 感覚過敏や感覚鈍麻などの特性に対応した環境調整
  • 保有する感覚を最大限に活用するための訓練

など。

3. 認知・行動領域

子どもたちの認知能力の発達と適切な行動の習得を支援。

  • 感覚や認知機能を活用した学習支援
  • 空間認識、時間概念、数量概念などの基礎的な概念形成の支援
  • 認知の偏りに対する適切な対応と支援
  • 問題行動の予防と対応のための戦略立案

など。

4. 言語・コミュニケーション領域

言語能力の発達とコミュニケーションスキルの向上を目指します。

  • 言語理解力と表現力の向上を目指す訓練
  • 非言語コミュニケーション(ジェスチャー、表情など)の活用支援
  • 代替コミュニケーション手段(AAC)の導入と活用
  • 読み書き能力の向上支援

など。

5. 人間関係・社会性領域

対人関係スキルと社会性の発達を促進します。

  • 基本的な対人関係スキルの習得支援
  • 集団活動を通じた協調性や社会性の育成
  • 感情コントロールと自己理解の促進
  • 地域社会との交流機会の提供

など。

この5領域アプローチの導入により、
放課後等デイサービスはより体系的かつ包括的な支援を提供することが可能になります。

※厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容p37〜40

放課後等デイサービスの具体的な内容

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提供されるサービスの種類

放課後等デイサービスでは、子どもたちの年齢や障害の特性、発達段階に応じて、
多岐にわたるサービスが提供されています。

以下に主なサービス内容を見てみましょう。

生活訓練

  • 身辺自立スキルの向上(着替え、食事、排泄など)
  • 金銭管理や時間管理の練習
  • 公共交通機関の利用方法の学習

学習支援

  • 個別学習指導
  • 宿題のサポート
  • 特別支援教育の専門家による学習プログラム

創作活動

  • 絵画や工作
  • 音楽療法
  • 園芸活動

スポーツ・レクリエーション

  • 室内外での運動プログラム
  • チームスポーツを通じた協調性の育成
  • 季節の行事やイベントの開催

コミュニケーション支援

  • ソーシャルスキルトレーニング
  • グループワーク
  • 言語療法

職業体験・就労支援

  • 職場見学
  • 模擬就労体験
  • 進路相談

これらのサービスは、各事業所の特色や専門性に応じて提供され、
利用者のニーズに合わせて選択できます。

より詳細な支援内容については、
こども家庭庁|放課後等デイサービスガイドライン(p16〜33)をご確認ください。

一日の流れの例

放課後等デイサービスの一日の流れは事業所により異なりますが、
一般的な例を以下に示します。

  1. 14:00 – 送迎※・来所
  2. 14:30 – 健康チェック・おやつタイム
  3. 15:00 – 学習支援・宿題タイム
  4. 16:00 – グループワーク(ソーシャルスキルトレーニングなど)
  5. 17:00 – 自由遊び・創作活動
  6. 18:00 – 帰りの会・送迎

学校の授業終了時間や長期休暇中など、一人ひとりの状況に応じて柔軟に調整されます。
また、個々の子どもの状態や家庭の事情に合わせて、利用時間や頻度を設定することも可能です。

※送迎を行なっていない事業所もあります。

放課後等デイサービスの利用方法

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利用までの流れ(例)

ご利用を検討中の親御さんにとっては、
サービスを受けるまでの流れも気になると思います。
すべてのケースが同じということではありませんが、
利用までの手順はおおむね以下の通りです。

  1. 相談:まずは市区町村の障害福祉課や児童相談所に相談。
  2. 障害児通所給付費支給申請:必要書類を揃えて申請を行います。
  3. 障害児支援利用計画案の作成:相談支援専門員が計画案を作成。
  4. 支給決定:市区町村が審査を行い、支給量(利用可能日数)の決定。
  5. 契約:利用を希望する事業所と契約。
  6. サービス利用開始:個別支援計画に基づいてサービスを利用。

たとえば、東京都にお住まいの方であれば、
東京都福祉局のウェブサイトで利用までの流れが確認できますよ!

参考|東京都福祉局|放課後等デイサービス

利用にかかる費用

放課後等デイサービスは、原則として利用者負担が発生します。
ただし、世帯の所得に応じて負担上限月額が設定されており、それを超える分は公費で賄われます

2024年(令和6年)現在の負担上限月額は以下の通りです※。

  • 生活保護世帯:0円
  • 市町村民税非課税世帯:0円
  • 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満):4,600円
  • 上記以外の世帯:37,200円

なお、これらの金額は定期的に見直されるため、
最新の情報を確認すると良いでしょう。

※参照|厚生労働省|障害者の利用者負担

放課後等デイサービスの現状と課題

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事業所が増加し、きちんとしたガイドラインがあるものの、
放課後等デイサービスには、いくつかの課題があるようです。

急増する事業所数と利用者数

放課後等デイサービスは、制度開始以来、急速に普及しています。
厚生労働省の統計によると、2012年の制度開始時には全国で約2,500か所だった事業所数が、
2021年(令和3年)には約18,000か所にまで増加しました※。

さらに、事業所の増加に伴い、利用者数も同様に増えており、
その急増の背景には、以下のような要因があるようです。

  1. 障害児支援への社会的関心の高まり
  2. 共働き世帯の増加による放課後支援ニーズの拡大
  3. 障害の早期発見・早期支援の重要性の認識
  4. 事業所開設に関する規制緩和

※厚生労働省|児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等について(令和4年12月14日),p8

直面する課題

一方で、急速な普及に伴い、いくつかの課題も浮き彫りになっています。

サービスの質の格差

事業所の急増に伴い、提供されるサービスの質にばらつきが生じています。
そのため、専門性の高いスタッフの確保や、適切なプログラムの開発が課題です。

個別支援の難しさ

利用者数の増加により、一人ひとりの障害特性や発達段階に応じた個別支援の提供が困難になっているケースもあり。

事業所の経営難

利用者の獲得競争が激化し、小規模事業所を中心に経営の安定化が困難な場合も。

家族支援の不足

子どもへの直接的な支援に注力するあまり、家族全体を支援する視点が不足しているとの指摘もある。

地域格差

都市部では事業所が飽和状態にある一方、
地方では選択肢が限られているなど、地域によって利用できるサービスに差があるのが現状です。

しかし、これらの課題に対応するため、2024年には放課後等デイサービスの報酬体系の見直しが行われ※、
より質の高いサービス提供を促進する仕組みが導入され始めています。

※こども家庭庁|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について
参考|厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
参考|厚生労働省|放課後等デイサービスの現状と課題について

放課後等デイサービスの社会的意義

障害児と家族の生活の質向上

放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちの発達支援だけでなく、
その家族のQOL(生活の質)向上にも大きく貢献しています。

保護者にとっては、子どもが安全に過ごせる場所があることで、
就労継続や自身の時間の確保が可能になるはずです。

これは、家族全体のメンタルヘルスや経済的安定にもつながることが期待されます。

また、専門家による適切な支援を受けることで、
子どもの潜在能力を引き出すことにきっかけになることもあるでしょう。

そのため、将来の自立や社会参加の可能性を広げることにもつながります。

インクルーシブ社会※実現への貢献

放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちが地域社会とつながる重要な接点となっています。
そしてさまざまな活動を通じて、障害のある子どもたちが地域の中での理解を深めていくことは、
インクルーシブ社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。

※子育て応援サイトこどもっとkobe|【子育てのヒント】インクルーシブ社会について考えよう
参照|文部科学省|共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) 概要

放課後等デイサービスまとめ:共生社会の実現に向けて

放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちを支える重要な社会インフラとして、
着実に広がり続けています。

しかし、本当の共生社会の実現には、
サービスの充実だけでなく、社会全体の意識改革が必要なのは言うまでもありません。

そのため、私たち一人ひとりが、障害の有無にかかわらず、
子どもたちの成長を支援する社会を作り上げていく必要があります。

そして放課後等デイサービスの役割は、今後ますます重要となるに違いありません。